公益財団法人  数学オリンピック財団



平成27年度 JMO事業報告
(平成27年4月1日〜平成28年3月31日)
公益財団法人 数学オリンピック財団

1.JMO予選の実施

(1)予選実施方法、会場


 2016年(平成28年)1月11日(成人の日)に、全国72会場にて予選大会を実施した。 3,389名(高校生3,284名、中学生98名、その他7名)の生徒が参加し、13時から16時の3時間で12問の 問題に挑戦した。 今年も5月と9月に、募集要項、ポスター等を、全国の主要な高等学校・中学校と過去参加者があった学校に郵送した。
 応募受付は、6月1日から10月31日まで行った。

(2)参加者数及び合格者


 応募者数は3,633名(昨年比125名増)であり、受験者のうち、197名(予選免除者3名を含む)がJMO本選に進んだ(内、中学生は14名)。 予選応募校は、高校540校、中学校29校で、小学校が1校あった。学年別応募人数は以下の通りである。      
高校3年25名
高校2年1,891名
高校1年1,605名
中学3年92名
中学2年7名
中学1年3名
小学2年1名
その他9名

<男3,035名、女598名>

(3)地区表彰の実施


 各地区(JJMOと同じ15地区)とも、Aランクと合わせて応募者の1割程度を表彰した。 Aランク賞受賞者には賞状と楯を、地区表彰受賞者には賞状を学校宛に贈った。
 Aランク者194名、地区表彰者180名であった。

2.JJMO予選の実施

(1)予選実施方法、会場


 2016年(平成28年)1月11日(成人の日)に、全国の68会場で予選大会を実施した。 2,812名(中学生2,799名、小学生13名)の生徒が参加して、13時から16時の3時間で12問の問題に挑戦した。
 JMOと同様に、5月に募集要項、ポスター、財団通信等を全国の主要な中学校と、過去参加者があった学校に郵送した。応募受付は、JMOと同じ期間で行った。

(2)参加者数及び合格者


 応募者数は3,057名(昨年比590名の増)で、102名がJJMO本選に進んだ。 予選参加校は、中学校324校、小学校13校で、学年別応募人数は以下の通りである。
中学3年1,269名
中学2年1,061名
中学1年713名
小学6年8名
小学5年4名
小学4年2名
<男子2,495名、女子562名>

(3)地区表彰の実施


 各地区(JMOと同じ15地区)とも応募者の1割程度を目安にして、333名を表彰した。 表彰状を各学校長に送り、集会で表彰していただくように依頼した。

3.JMO本選の実施

(1)本選実施方法、会場


 2016年(平成28年)2月11日(建国記念の日)に本選大会を全国16会場(札幌、釧路、青森、仙台、東京、新潟、金沢、名古屋、大阪、岡山、広島、徳島、松山、福岡、宮崎、沖縄)で実施した。

(2)参加者数


 JMO予選合格者194名と予選免除者3名のうち、196名が本選大会に参加し、13時から17時の4時間で5問の問題に挑戦した。
 JMO参加生徒の学年別人数は、以下の通りである。( )の内数は女子の人数。
高校3年2名(0)
高校2年97名(7)
高校1年82名(3)
中学3年13名(0)
中学1年1名(0)
その他1名(0)

4.JJMO本選の実施

(1)本選実施方法、会場


 2016年(平成28年)2月11日(建国記念の日)に、全国12会場(札幌、青森、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、岡山、広島、徳島、福岡、宮崎)で実施した。

(2)参加者数


 JJMO予選合格者102名のうち、97名が本選大会に参加し、13時から17時の4時間で5問の問題に挑戦した。
 参加生徒の学年別人数は、以下の通りである。( )の内数は女子の人数。
中学3年50名(5)
中学2年27名(1)
中学1年19名(0)
小学5年1名(0)






5.日本代表選手に対する強化合宿・通信添削指導(4月〜6月)

(1)研修等取組の実施日程、会場(方法)


 2015年5月4日〜6日に、国立オリンピック記念青少年総合センターで強化合宿を行うとともに、4月から6月の間に3回の通信添削指導を行った。

(2)研修等の取組への参加者


①強化合宿参加対象者
IMO代表選手6名高校3年3名、高校2年2名、高校1年1名
IMC代表選手4名中学3年3名、中学1年1名


②通信教育参加対象者
春の合宿参加者対象24名高校3年9名、高校2年7名、高校1年6名、中学3年2名
春の合宿参実加者17名高校3年4名、高校2年6名、高校1年6名、中学3年1名

(3)研修等取組参加者の選抜方法


 第56回IMO代表選手、CIMC2015代表選手を集めて強化合宿を行うとともに、JMO・JJMOの春の合宿参加者24名の中の希望者17名に通信教育を行った。

(4)研修等取組の実施体制


 理事長および専務理事の指揮のもとに、JCIMO委員会指名チューターが中心となって、指導者、出題者、添削者等を決定した。

(5)研修等取組の実施内容(実施プログラム)


 各国際大会と同じ時間配分で、同程度の問題を出題して解答させ、解説を行った。また、毎回宿題として問題を出題し、次回に解答・解説を行った。

(6)講師及び講師の選抜方法


 理事長および専務理事の指揮のもとに、JCIMO委員会指名のチューター8名が中心となって問題の作成、添削者等を行い、指導にあたった。

6.代表選手直前学習会の実施

(1)IMO関係


①研修等取組の実施日程、会場(方法)
日  程2015年7月7日(火) 19:00〜20:30
会  場羽田空港国際線ターミナル待合室


②研修等の取組への参加者
人  数6名(IMO日本代表選手)
学年構成高校3年3名、高校2年2名、高校1年1名(全員男子)


③研修等取組の実施内容(実施プログラム)
 大会参加当日、理事長の指導のもと、JCIMO委員会指名のチューター2名が、試験問題への取り組み方、答案の書き方、心構え等を、IMO通信添削(第3回)の解答・解説を行いながら指導に当たった。
 また、副団長から大会参加に当たっての諸注意を行った。

(2)EGMO関係


①研修等取組の実施日程、会場(方法)
日  程2015年4月13日(月)17:15〜18:15
会  場成田国際空港有料待合室


②研修等の取組への参加者
人  数4名(EGMO日本代表選手)
学年構成高校3年2名、高校2年2名


③研修等取組の実施内容(実施プログラム)
 大会参加当日、理事長の指導のもと、今回のオブザーバーのチューター2名が、試験問題への取り組み方、答案の書き方、心構え等を指導した。
 また、副団長から大会参加に当たっての諸注意を行った。

(3)IMC関係


①研修等取組の実施日程、会場(方法)
日  程2015年7月26日(日)19:30〜20:30
会  場ホテル「東横INN羽田空港1」


②研修等の取組への参加者
人  数4名(CIMC日本代表選手)
学年構成中学3年3名、中学1年1名


③研修等取組の実施内容(実施プログラム)
 大会参加前日、理事長の指導のもと、今回のオブザーバーのチューター2名が、試験問題への取り組み方、答案の書き方、心構え等を、IMC通信添削(第3回)の解答・解説を行いながら指導に当たった。
 また、副団長から大会参加に当たっての諸注意を行った。

7.国際大会への参加

(1)第56回IMOタイ大会(7/4~7/16)


 役員6名、選手6名(高校3年3名、高校2年2名、高校1年1名:全員男子)が参加し、銀メダル3、銅メダル3を獲得した。
 なお、大会全体の受賞者数は、577名中、金メダルが39名、銀メダルが100名、銅メダルが143名であった。
 国別成績では、日本は104ヶ国・地域中、第22位であった。

(2)第4回EGMOベラルーシ大会(4/14〜4/20)


 役員5名、選手4名(高校3年2名、高校2年2名)が参加した。 選手4名のうち、金メダルが1名、銅メダルが3名であった。
 なお、大会全体の受賞者数は、109名中、金メダルが12名、銀メダルが18名、銅メダルが30名であった。 国別成績で、日本は30ヶ国・地域中、第8位であった。

(3)2015IMC中国大会(CIMC)(7/27~8/1)


 役員4名、選手4名(中学3年3名、中学1年1名:全員男子)が、大会の Key Stage Ⅲに参加した。 4名の選手全員が金メダルを獲得した。
 他に、Group Award 1 位、Team Award 2 位の 2 種類の賞を受賞し、日本チームは Key Stage Ⅲ全体(Overall Award)で1位という素晴らしい成績を収めた。
 なお、参加の国数・地域・チーム数は、下記の通りである。
Key StageⅢ27ヶ国・地域 77チーム308名
<金メダル20名、銀メダル40名、銅メダル59名>
Key StageⅡ23ヶ国・地域 74チーム296名

8.夏季セミナーの実施

(1)実施時期及び場所


 2015年8月23日(日)〜29日(土)山梨県・清里高原(ヴィラ千ヶ滝)

(2)研修への参加者


人  数28名(男子22名、女子6名 )
学年構成高校3年4名(2)、高校2年12名(1)、高校1年8名(3)、中学3年4名
 ( )内は女子人数

(3)参加生徒の選抜方法


 第25回JMO本選入賞者で春合宿参加者のうちの希望者、および、一般公募の応募者から選抜した。

(4)取組の実施体制


 理事長及び専務理事の指揮の下に、チューターの中で指名された1名がオーガナイザーとなり、準備から合宿研修期間を通して運営管理をした。 特別講師として、外部から3名の大学教授を招待して講義を頂いた。 また、IMOメダリストのOB等チューター20名の指導の下、9班に分かれて数学書を講読した。

9.問題調整会議の実施


9月〜11月の週末ごとに、問題選定の会議を10回実施した。

10.第28回APMO第12回国内大会の実施

(1)実施日時及び会場


2016年3月8日(火)9時〜13時 東京、大阪、及び、福岡の3会場で実施した。

(2)参加生徒:34名(男子31名、女子3名)


高校3年11名(内、女子1)、高校2年12名(内、女子2)、高校1年9名、中学3年2名

(3)日本代表選手:10名


高校3年2名、高校2年5名、高校1年3名 (全員男子)

★学年は2016年3月現在。

11.春の合宿及び表彰式

(1)実施時期及び会場:2016年3月23日(水)〜28日(月)  国立オリンピック記念青少年総合センターで実施

(2)合宿参加生徒:27名(男子25名、女子2名)


学年構成高校2年−13名(内、女子2)、高校1年−7名、中学3年−5名、中学2年−1名、中学1年1名
★他に、EGMO日本代表選手2名(高校2年1名、高校1年1名)参加。

(3)実施体制


 理事長及び専務理事の指揮の下、チューター20名が指導にあたった。

(4)実施内容


 IMOコンテスト本番と同じ形式の試験4回(各回4時間半、各3問の記述式問題)と講義1回、演習2回(各回2〜3時間)実施した。

(5)表彰式


 2016年3月28日(月)10時〜11時30分、JMO・APMO国内大会・JJMOの表彰式を行った。 表彰者は、JMO23名、APMO10名、JJMO12名であった。  来賓として、文部科学省から科学技術・学術政策局 人材政策課長柿田恭良氏にご出席いただき、ご祝辞をいただいた。
 また、今年は合宿の日程、会場の都合等により、記念講演は行わなかった。

12.機関誌・新教材の発行

(1)財団通信:No.49 (5/1)、No.50 (9/15)


 No.49では国内大会の結果を、No.50では国際大会の結果を中心にそれぞれ28,000部、34,000部を作成し、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の共通事務により、全国の高等学校約2,100校、中学校約750校、中高一貫校約300校、中等教育学校約40校、教育委員会関係約280ヶ所、等に配布してPRに務めた。

(2)先進的科学技術学習用カリキュラム新教材の発行


①高校生用教材「math OLYMPIAN」
  年3回発行:No.61 (5月) 、No.62 (9月)、No.63 (11月)
②中学生用教材「JUNIOR math OLYMPIAN」
  年3回発行:No. 37(5月)、No.38 (9月)、No.39(11月)

13.役員会等の実施

(1)理事会・評議員会


平成27年 5月23日(土)第1回理事会:13時30分〜15時45分
 <内容> 平成26年度事業報告・収支決算報告等
平成27年 6月13日(土)第1回評議員会:13時30分〜14時25分
 <内容> 平成26年度事業報告・収支決算報告等
平成28年 1月23日(土)臨時理事会:14:45〜17:00
 <内容>JMO・JJMO受験料の値下げ、定款の改正等
平成28年 3月 5日(土)第3回理事会:13時30分〜14時30分
 <内容> 平成28年度事業計画・収支予算、
 臨時評議員会:14時40分〜15時30分
 <内容> 平成28年度事業計画・収支予算、定款の改正等

(2)JCIMO委員会


平成27年 4月 4日(土)13時30分〜15時40分
 <内容> IMO・IMC各大会の日本代表選手・代表団の決定等
平成28年 1月23日(土)13時30分〜14時10分
 <内容> EGMO日本代表選手・代表団の決定等

14.その他

(1)ポスター(2016年用)の作成


JMO用A3版11,500部
A4版9,500部
JJMO用A3版4,500部
A4版15,700部

(2)パンフレットの作成


2016版を、PR用として3,300部作成した。