公益財団法人  数学オリンピック財団



平成28年度 JMO事業報告
(平成28年4月1日〜平成29年3月31日)
公益財団法人 数学オリンピック財団

1.JMO予選の実施

(1)予選実施方法、会場


 2017年(平成29年)1月9日(成人の日)に、全国72会場にて予選大会を実施した。 3,804名(高校生3,736名、中学生63名、その他5名)の生徒が参加し、13時から16時の3時間で12問の 問題に挑戦した。 今年も5月と9月に、募集要項、ポスター等を、全国の主要な高等学校・中学校と過去参加者があった学校に郵送した。
 応募受付は、6月1日から10月31日まで行った。

(2)参加者数及び合格者


 応募者数は4,136名(昨年比503名増)であり、受験者のうち、182名(予選免除者1名を含む)がJMO本選に進んだ(内、中学生は9名)。 予選応募校は、高校552校、中学校34校で、小学校が2校あった。学年別応募人数は以下の通りである。      
高校3年17名
高校2年2,061名
高校1年1,977名
中学3年56名
中学2年15名
中学1年3名
小学6年1名
小学3年生1名
その他5名
<男3,354名、女782名>

(3)地区表彰の実施


 16地区(JJMOは15地区)で、Aランクと合わせて応募者の1割程度を表彰した。 Aランク賞受賞者には賞状と楯を、地区表彰受賞者には賞状を学校宛に贈った。
 なお、Aランク者181名、地区表彰者362名であった。

2.JJMO予選の実施

(1)予選実施方法、会場


 2017年(平成29年)1月9日(成人の日)に、全国の66会場で予選大会を実施した。 2,893名(中学生2,886名、小学生7名)の生徒が参加して、13時から16時の3時間で12問の問題に挑戦した。  JMOと同様に、5月に募集要項、ポスター、財団通信等を全国の主要な中学校と、過去参加者があった学校に郵送した。 応募受付は、JMOと同じ期間で行った。

(2)参加者数及び合格者


 応募者数は3,134名(昨年比77名の増)で、84名がJJMO本選に進んだ。 予選応募校は、中学校352校、小学校9校で、学年別応募人数は以下の通りである。
中学3年1,246名
中学2年1,260名
中学1年619名
小学6年4名
小学5年3名
小学3年2名
<男子2,524名、女子610名>

(3)地区表彰の実施


 15地区(JMOは16地区)で、応募者の1割程度を目安にし、427名を表彰した。 表彰状を各学校長に送り、集会で表彰していただくように依頼した。

3.JMO本選の実施

(1)本選実施方法、会場


 2017年(平成29年)2月11日(建国記念の日)に本選大会を全国11会場(札幌、仙台、東京、新潟、富山、名古屋、大阪、岡山、松山、福岡、宮崎)で実施した。

(2)参加者数


 JMO予選合格者181名と予選免除者1名のうち、180名が本選大会に参加し、13時から17時の4時間で5問の問題に挑戦した。
 参加生徒の学年別人数は、以下の通りである。( )の内数は、女子の人数。
高校3年1名(0)
高校2年104名(7)
高校1年66名(3)
中学3年8名(0)
中学2年1名(0)



4.JJMO本選の実施

(1)本選実施方法、会場


 2017年(平成29年)2月11日(建国記念の日)に、全国9会場(札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、岡山、福岡、宮崎)で実施した。

(2)参加者数


 JJMO予選合格者84名全員が本選大会に参加し、13時から17時の4時間で5問の問題に挑戦した。
 参加生徒の学年別人数は、以下の通りである。( )の内数は女子の人数。
中学3年40名(0)
中学2年37名(2)
中学1年7名(0)

5.日本代表選手に対する強化合宿・通信添削指導(4月〜6月)
 ★IMO関係

(1)研修等取組の実施日程、会場(方法)


 2016年4月29日から5月1日に、国立オリンピック記念青少年総合センターで強化合宿を行うとともに、4月から6月の間に5回の通信添削指導を行った。

(2)研修等の取組への参加者


①強化合宿参加対象者
IMO代表選手6名高校3年4名、高校2年2名


②通信教育参加対象者
春の合宿参加者28名高校3年13名、高校2年8名、高校1年5名、中学3年1名、中学2年1名
  〃  参実加者17名高校3年4名、高校2年7名、高校1年5名、中学2年1名

(3)研修等取組参加者の選抜方法


 第57回IMO香港大会の日本代表選手を集めて強化合宿を行うとともに、JMO・JJMOの春の合宿参加者28名の中の希望者17名に通信教育を行った。

(4)研修等取組の実施体制


 理事長および専務理事の指揮のもとに、JCIMO委員会指名チューターが中心となって、指導者、出題者、添削者等を決定した。

(5)研修等取組の実施内容(実施プログラム)


 各国際大会と同じ時間配分で、同程度の問題を出題して解答させ、解説を行った。

(6)講師及び講師の選抜方法


 理事長および専務理事の指揮のもとに、JCIMO委員会指名のチューター5名が強化合宿での指導に当たり、通信教育については10名のチューターが中心となって問題の出題・添削等を行い、指導に当たった。

 ★EGMO関係

(1)研修等取組の実施日程、会場(方法)


2017年3月20日から3月22日に、国立オリンピック記念青少年総合センターにて強化合宿を行うとともに、1月と2月に2回の通信添削指導を行った。

(2)研修等の取組への参加者


①強化合宿参加対象者
EGMO代表選手4名高校2年1名、高校1年3名


②通信教育参加対象者
EGMO代表選手4名高校2年1名、高校1年3名

(3)研修等取組参加者の選抜方法


 第6回EGMOスイス大会の日本代表選手を集めて強化合宿を行うとともに、4名の選手に通信教育を行った。

(4)研修等取組の実施体制


 理事長および専務理事の指揮のもとに、JCIMO委員会指名チューターが中心となって、指導者、出題者、添削者等を決定した。

(5)研修等取組の実施内容(実施プログラム)


 各国際と同じ時間配分で、同程度の問題を出題して解答させ、解説を行った。

(6)講師及び講師の選抜方法


 理事長および専務理事の指揮のもとに、JCIMO委員会指名のチューター5名が強化合宿での指導に当たり、通信教育については4名のチューターが中心となって問題の出題・添削等を行い、指導に当たった。

6.代表選手直前学習会の実施

(1)IMO関係


①研修等取組の実施日程、会場(方法)
日  程2016年7月8日(火) 20:00〜21:50
会  場羽田空港国際線ターミナル有料待合室


②研修等の取組への参加者
人  数6名(IMO日本代表選手)
学年構成高校3年4名、高校2年2名(全員男子)


③研修等取組の実施内容(実施プログラム)
 大会参加当日、理事長の指導のもと、JCIMO委員会指名のチューター2名が、試験問題への取り組み方、答案の書き方、心構え等を、IMO通信添削(第3回)の解答・解説を行いながら指導に当たった。
 また、副団長から大会参加に当たっての諸注意を行った。

(2)EGMO関係


①研修等取組の実施日程、会場(方法)
日  程2016年4月9日(月)20:00〜21:30
会  場羽田空港国際線ターミナル有料待合室


②研修等の取組への参加者
人  数4名(EGMO日本代表選手)
学年構成高校3年3名、高校2年1名


③研修等取組の実施内容(実施プログラム)
 大会参加当日、理事長の指導のもと、今回のオブザーバーのチューター2名が、試験問題への取り組み方、答案の書き方、心構え等を指導した。
 また、副団長から大会参加に当たっての諸注意を行った。

7.国際大会への参加

(1)第57回IMO香港大会(7/6〜7/16)


 役員6名、選手6名 (高校3年4名、高校2年2名:全員男子)が参加し、金メダル1、銀メダル4、銅メダル1を獲得した。
 なお、大会全体の受賞者数は、602名中、金メダルが44名、銀メダルが101名、銅メダルが135名であった。
 国別成績では、日本は109ヶ国・地域中、第10位であった。

(2)第5回EGMOルーマニア大会(4/10〜4/16)


 役員5名、選手4名(高校3年3名、高校2年1名)が参加した。選手4名のうち、金メダルが1名、銅メダルが2名、優秀賞が1名であった。
 なお、大会全体の受賞者数は、147名中、金メダルが16名、銀メダルが30名、銅メダルが35名、優秀賞が4名であった。
 国別成績で、日本は38ヶ国・地域中、第11位であった。

(3)第29回APMO (3/14)


 2017年の3月、太平洋を挟んで西側各国は3月14日(第2火曜日)、東側の各国はその前日に、同時にコンテストを4時間で実施した。
 この結果は、主催国(メキシコ)でまとめられて、5月に各国へ送付される。
 なお、2016年のAPMOは、36ヶ国・地域から330名が参加し、日本選手の成績は例年と変わりなく、金賞1、銀賞2、銅賞4、優秀賞3を受賞した。国別成績は6位であった。また、全体の受賞者数は、金賞13、銀賞41、銅賞92、優秀賞57であった。
 ちなみに、2015年のAPMOは、33ヶ国・地域から299名が参加し、日本の成績は金賞1、銀賞2、銅賞4、優秀賞3を受賞し、国別成績は5位であった。

8.夏季セミナーの実施

(1)実施時期及び場所


 2016年8月21日(日)〜27日(土)山梨県・清里高原(ヴィラ千ヶ滝)

(2)研修への参加者


人  数24名(男子21名、女子3名 )
学年構成高校3年7名(1)、高校2年8名(2)、高校1年7名(0)、中学3年1名(0)、中学2年1名(0)
 ( )内は女子人数

(3)参加生徒の選抜方法


 第26回JMO本選入賞者で春の合宿参加者のうちの希望者、および、一般公募の応募者から選抜した。

(4)取組の実施体制


 理事長及び専務理事の指揮の下に、チューターの中で指名された1名がオーガナイザーとなり、準備から合宿研修期間を通して運営管理をした。特別講師として、外部から2名の大学教授・准教授を招待して講義を頂いた。  また、IMOメダリストのOB等、チューター17名の指導の下、8班に分かれて数学書を講読した。

9.問題調整会議の実施


9月〜11月の週末ごとに、問題選定の会議を10回実施した。

10.第29回APMO第13回国内大会の実施

(1)実施日時及び会場


2017年3月14日(火)9時〜13時 東京、大阪の2会場で実施した。

(2)参加生徒:32名(男子29名、女子3名)


高校3年11名(内、女子1名)、高校2年15名(内、女子1)、高校1年5名(内、女子1名)、中学3年1名

(3)日本代表選手:10名


高校3年4名、高校2年3名、高校1年2名、中学3年1名 (全員男子)

(注)学年は、2017年3月現在。

11.春の合宿及び表彰式

(1)実施時期及び会場:2017年3月22日(水)〜27日(月)
  国立オリンピック記念青少年総合センターで実施

(2)合宿参加生徒:22名(男子20名、女子2名)


学年構成高校2年11名(内、女子1)、高校1年5名(内、女子1)、中学3年3名、中学2年3名

(3)実施体制


 理事長及び専務理事の指揮の下、チューター19名が指導にあたった。

(4)実施内容


 IMOコンテスト本番と同じ形式の試験4回(各回4時間半・3問の記述式問題)と講義1回、演習2回(各回2〜3時間)実施した。

(5)表彰式


 2017年3月27日(月)10時30分〜12時30分で、JMO・APMO国内大会、及び、JJMOの表彰式を行った。表彰者は、JMO23名、APMO10名、JJMO11名であった。
 来賓として、文部科学省 科学技術・学術政策局人材政策課 課長補佐新免寛啓氏にご出席いただき、ご祝辞をいただいた。
 また、早稲田大学教育学部教授 谷山 公規 氏(当財団理事)を講師に招いて、「142857の秘密」と題して、記念講演を行った。

12.機関誌・新教材の発行

(1)財団通信:No.51 (5/1)、No.52 (9/15)


 No.51では国内大会の結果を、No.52では国際大会の結果を中心にそれぞれ27,000部、34,500部を作成し、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の共通事務により、全国の高等学校約2,100校、中学校約760校、中高一貫校約320校、中等教育学校約40校、教育委員会関係約230ヶ所、等に配布してPRに務めた。

(2)先進的科学技術学習用カリキュラム新教材の発行(年1回発行)


①高校生用教材「math OLYMPIAN」 No.64 (10月)4,400部
②中学生用教材「JUNIOR math OLYMPIAN」 No. 40(10月)3,300部

13.役員会等の実施

(1)理事会・評議員会


平成28年 5月21日(土)第1回理事会:13時30分〜15時25分

<内容> 平成26年度事業報告、収支決算報告 等
平成28年 6月11日(土)定時評議員会:13時30分〜14時50分

<内容> 平成26年度事業報告、収支決算報告 等

第2回理事会(新理事会):15時30分〜16時40分

<内容>新理事長・専務理事・常務理事の選出 等
平成29年 1月21日(土)臨時理事会:15:00〜16:10

<内容>IMO2023日本大会準備委員会の設置、「日本科学オリンピック委員会」準備協議会の協定書について 等
平成29年 3月 4日(土)第3回理事会:13:30〜14:00

<内容>平成29年度事業計画・収支予算、JCIMO委員の選出 等

臨時評議員会:14時00分〜14時30分

<内容> 平成29年度事業計画・収支予算 等

(2)JCIMO委員会


平成28年 4月 3日(日)10時30分〜12時25分

<内容> IMO香港大会の日本代表選手・代表団の決定 等
平成29年 1月21日(土)13時30分〜14時15分

<内容> EGMO日本代表選手・代表団の決定 等

14.その他

(1)ポスター(2017年用)の作成


JMO用A3版11,500部
A4版9,500部
JJMO用A3版4,600部
A4版16,000部

(2)パンフレットの作成


2017版を、PR用として 500部作成した。