公益財団法人  数学オリンピック財団



平成30年度 JMO事業報告
(平成30年4月1日〜平成31年3月31日)
公益財団法人 数学オリンピック財団

<1>国内大会の取り組み

1.JMO予選の実施

(1)予選の実施方法と結果

応募受付期間:6月1日〜10月31日

試験:2019年(平成31年)1月14日(成人の日)に、全国78会場にて実施した。
 応募者数は4,423名(昨年より8名増)で、当日は4,108名の生徒が参加し、13時から16時の3時間で12問の 問題に挑戦した。

結果:受験者のうち、304名(予選免除者1名を含む)がJMO本選に進む予定となった。そのうち、中学生は20名であった。

(2)参加者4,108人の在籍校種・学年の内訳


学校 :高校 638校、中学校 37校、小学校 1校
学年 :高校3年31名高校2年2,153名高校1年1,842名(高校生計 4,024名)

中学3年65名中学2年9名中学1年1名(中学生計 75名)

小学5年1名その他6名


<男 3,319名、女 789名>

(3)地区表彰の実施


 16地区(JJMOは15地区)で、Aランクと合わせて応募者の1割程度を表彰した。 Aランク賞受賞者には賞状と楯を、地区表彰受賞者には賞状を学校長宛に送り、全校集会等で表彰していただくように依頼した。
 なお、Aランク者303名、地区表彰者210名であった。

(4)その他


 5月には、募集要項と財団通信を、全国の過去3年間応募があった高等学校・中等教育学校に、募集要項を、前年度の個人申込者に送付した。 9月には財団通信を、応募があった学校に送付した。 更に、11月には高校生用教材「math OLYMPIAN」を、応募者全員と一括申込があった学校に送付した。

2.JJMO予選の実施

(1)予選の実施方法と結果

応募受付期間:6月1日〜10月31日

試験:2019年(平成31年)1月14日(成人の日)に、全国の67会場にて実施した。 応募者数は3,045名(昨年より197名減)で、当日は2,819名の生徒が参加し、13時から16時の3時間で12問の問題に挑戦した。

結果:受験者のうち135名がJJMO本選に進む予定となった。


学校 :中学校 344校、小学校 11校
学年 :中学3年1,216名中学2年982名中学1年610名

小学6年2名小学5年5名小学4年3名小学2年1名
<男 2,279名、女 540名>

(3)地区表彰の実施


 15地区(JMOは16地区)で、応募者の1割程度を目安にし、330名を表彰した。 表彰状を各学校長宛に送り、全校集会等で表彰していただくように依頼した。

(4)その他


 5月には、募集要項と財団通信を、全国の過去3年間応募があった中学校に、募集要項を、前年度の個人申込者に送付した。 9月には、財団通信を、応募があった学校に送付した。 更に、11月には中学生用教材「JUNIOR math OLYMPIAN」を、応募者全員と一括申込があった学校に送付した。

3.JMO本選の実施

(1)本選の実施方法と結果


 2019年(平成31年)2月11日(建国記念の日)に、全国12会場(札幌、弘前、仙台、秋田、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、宮崎)で実施した。
 当日は、予選合格者304名(予選免除者1名を含む)のうち、299名が参加し、13時から17時の4時間で5問の問題に挑戦した。
 本選合格者は、23(1)名で、このうち19(0)名が代表選考合宿に参加した。
 ( )は女子の人数で内数

(2) 参加生徒の学年別人数  ( )は女子の人数で内数


高校3年6(1)名高校2年154(4)名高校1年118(11)名
中学3年17(1)名中学2年3(1)名その他1(0)名

4.JJMO本選の実施

(1)本選実施方法、会場


 2019年(平成31年)2月11日(建国記念の日)に、全国10会場(札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、宮崎)で実施した。
 当日は、予選合格者135名のうち131名が参加し、13時から17時の4時間で5問の問題に挑戦した。
 本選合格者は、12(0)名で、このうち5(0)名が代表選考合宿に参加した。

(2)参加生徒の学年別人数  ( )は女子の人数で内数


中学3年70(1)名中学2年43(3)名中学1年18(2)名

5.EGMO2019ウクライナ大会に向けた国内選抜

(1)EGMO一次選抜実施方法

応募受付期間:6月1日〜8月31日

試験:11月18日(日)に、全国5会場(札幌、仙台、東京、大阪、福岡)で実施した。
応募者78名中、65名が参加し、13時〜17時の4時間で5問の問題に挑戦した。

結果:受験者のうち11名が合格となり、平成31年1月14日に実施するJMOの予選の結果と合わせて、日本代表選手を選抜することになった。

(2)JMO予選における結果とEGMO日本代表の選抜


 当日は、合格者11名全員がJMO予選に参加した。
 JMO予選結果とEGMO一次選抜の結果を基に、EGMOウクライナ大会の日本代表4名を選抜した。

<2>国際大会への取組と結果

★第59回IMO2018ルーマニア大会関係

(1)事前指導


 IMO日本代表選手6名(高校3年4名、高校1年2名)に対して、2018年5月4日から5月6日に、国立オリンピック記念青少年総合センターで強化合宿を行うとともに、4月から6月の間に4回の通信添削指導を行った。更に、7月6日に直前学習会を行った。

実施体制:理事長の指揮のもとに、JCIMO委員会指名チューターが中心となって、指導者、出題者、添削者等を決定した。

取組内容

強化合宿については、各国際大会と同じ時間配分で、同程度の問題を出題して解答させ、チューター6名が解説を行った。

通信教育については、7名のチューターが、問題の作成・添削等を行い、指導に当たった。

直前学習会については、羽田空港国際線ターミナル有料待合室にて、チューター2名が、試験問題への取り組み方、答案の書き方、心構え等を、IMO通信添削(第4回)の解答・解説を行いながら指導した。また、副団長から大会参加に当たっての諸注意を行った。

(2) IMO2018ルーマニア大会(7/3〜7/14)の結果


 役員6名、選手6名 (高校3年4名、高校1年2名:全員男子)が参加し、金メダル1、銀メダル3、銅メダル2を獲得した。
 なお、大会全体の受賞者数は、594名中、金メダルが48名、銀メダルが98名、銅メダルが143名であった。
 国別成績では、日本は107ヶ国・地域中、第13位であった。

★第7回EGMO2018イタリア大会関係

(1)事前指導


 昨年度、EGMO2018イタリア大会・日本代表選手4名(高校2年:2名、高校1:1名、中学3年:1名)に対して、2018年3月20日から3月22日に、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて強化合宿を行うとともに、1月と2月に2回の通信添削指導を行ってきたが、今年度は、4月8日に直前学習会を行った。直前学習会では、今回の団長およびオブザーバーのチューター3名が、試験問題への取り組み方、答案の書き方、心構え等を指導した。また、副団長から大会参加に当たっての諸注意を行った。

(2)第7回EGMO2018イタリア大会(4/9〜4/15)の結果


 役員5名、選手4名(高校3年2名、高校2年1名、高校1年1名)が参加し、金メダル1、銀メダル1、銅メダル1を獲得した。
 なお、大会全体の受賞者数は、195名中、金メダルが17名、銀メダルが39名、銅メダルが52名、優秀賞が45名であった。
 国別成績で、日本は51ヶ国・地域中、第12位であった。

(3)第8回EGMO2019ウクライナ大会日本代表選手に対しする事前指導


 2019年1月と2月に通信添削指導を行うとともに、3月19日から3月21日に国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、強化合宿を行い、スキルアップを図った。

実施体制

理事長の指揮のもとに、JCIMO委員会指名のチューターが中心となって、指導者、出題者、添削者等を決定した。

取組内容

強化合宿については、例年の国際大会と同じ時間配分で、同程度の問題を出題して解答させ、チューター4名が解説を行った。

通信添削については、4名のチューターが、問題の作成・添削等を行い、指導に当たった。

★APMO(第31回APMO第15回国内大会)関係

(1)実施方法


 第31回APMO第15回国内大会は、2019年の3月、太平洋を挟んで西側各国は3月12日(第2火曜日)、東側の各国はその前日に、同時にコンテストを4時間で実施した。なお、この結果は、主催国(メキシコ)でまとめられて、6月に各国へ送付される。

実施日時及び会場


 2019年3月12日(火)9時〜13時, 東京、名古屋、大阪の3会場で実施した。 参加生徒:有資格者37(2)名のうち、32(1)名が参加した。
 内訳は、高校3年12(1)名、高校2年12(0)名、高校1年8(0)名
日本代表選手:10(0)名
 内訳は、高校3年5名、高校2年1名、高校1年4名 (全員男子)
(注)学年は、2019年3月現在。

昨年度(2018年)の第30回APMOの結果


 39ヶ国・地域から352名が参加し、日本選手は、金賞1、銀賞2、銅賞4、優秀賞3を受賞した。国別成績は3位であった。また、全体の受賞者数は、金賞12、銀賞43、銅賞109、優秀賞124であった。
 因みに、2017年の第29回APMOの結果は、39ヶ国・地域から353名が参加し、日本の成績は金賞1、銀賞2、銅賞4、優秀賞3を受賞し、国別成績は4位であった。

<3>研究・育成事業、その他

1.夏季セミナーの実施

(1)実施時期及び場所


 2018年8月19日(日)〜25日(土)山梨県・清里高原(ヴィラ千ヶ滝)

(2)研修への参加者


・人  数:26名(男子24名、女子2名)
・学年構成:高校3年7(1)名、高校2年6(0)名、高校1年10(1)名、
中学3年2(0)名、中学2年1(0)名   <( )内は女子の人数>

(3)参加生徒の選抜方法


 第28回JMOの本選入賞者、第16回JJMOで代表選考合宿(春の合宿)参加者、第7回EGMO日本代表選手の中で参加を希望する者、及び、一般公募の応募者から選抜した。因みに、一般公募からは9名が選抜された。

(4)取組の実施体制


 理事長及びJCIMO委員長の指揮の下に、JCIMO委員会で指名されたチューターの中の2名がオーガナイザーと副オーガナイザーとなり、準備から合宿研修期間を通して運営管理をした。講師として、外部から大阪大学の准教授、名古屋大学の助教を招待して講義を頂いた。
 また、IMOメダリストのOB、OG等、チューター10名の指導の下、7班に分かれて数学書を講読した。

2.問題調整会議の実施


9月〜11月の週末ごとに、問題選定の会議を10回実施した。

3.代表選考合宿、及び表彰式

(1)実施時期及び会場:2019年3月21日(木)〜26日(火)


 国立オリンピック記念青少年総合センターで実施

(2)合宿参加生徒:24名(全員男子)


 構成:高校2年12名、高校1年7名、中学3年2名、中学2年3名

(3)実施体制


 JCIMO委員長の指揮の下、チューター18名が指導にあたった。

(4)実施内容


 IMOコンテスト本番と同じ形式の試験4回(各回4時間半・3問の記述式問題)と講義1回、演習2回(各回2〜3時間)実施した。

(5)表彰式


 2019年3月21日(木)15時00分〜16時30分で、JMO、及び、JJMOの表彰式を行った。表彰者は、JMO23名、JJMO12名であった。
 来賓として、株式会社東京出版編集部長 勝又健司様、JST理数学習推進部才能育成グループ調査役 岡田啓一様にご出席頂いた。また、文部科学省 科学技術・学術政策局人材政策課 塩崎正晴様よりご祝辞を頂戴し、守屋常務理事が代読した。

4.機関誌・新教材の発行

(1)財団通信:No.55 (5/15)、No.56 (9/15)


 No.55では国内大会の結果を、No.56では国際大会の結果を中心にそれぞれ27,000部、28,000部を作成し、5月に過去3年間応募のあった高等学校870校、中学校601校に送付した。更に、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の一斉発送により、9月に全国の高等学校約1,300校、中学校約60校、中等教育学校約50校、教育委員会関係約280ヶ所、等に配布してPRに務めた。

(2) 先進的科学技術学習用カリキュラム新教材の発行(年1回発行)

高校生用教材「math OLYMPIAN」 No.66 (10月)5,000部

中学生用教材「JUNIOR math OLYMPIAN」 No. 42(10月)3,900部

13.役員会等の実施

(1)理事会・評議員会


平成30年5月20日(日)第1回理事会:13時30分〜15時40分

<内容> 平成29年度事業報告、収支決算報告 等
平成30年6月10日(日)定時評議員会:13時30分〜15時20分

<内容> 平成29年度事業報告、収支決算報告、定款の見直し、理事・監事の選任等
平成30年6月10日(日)第2回理事会:15時30分〜16時10分

<内容>新三役の選出、IMO2023日本大会実行委員会会則等
平成30年6月28日(木)文書による臨時理事会

<内容>理事長の退職金、新理事長の役員報酬について
平成30年11月13日(火)文書による臨時理事会

<内容>標準手当・謝金計算書の一部改定について
平成31年3月3日(日)第3回理事会:13時30分〜14時50分

<内容>平成31年度事業計画・収支予算、役員報酬、理事交代、JCIMO委員の選任等
平成31年3月3日(日)臨時評議員会:15時00分〜16時30分

<内容> 平成31年度事業計画・収支予算、理事交代、役員報酬等

(2)JCIMO委員会


平成30年4月1日(日)13時30分〜14時30分

<内容> IMOルーマニア大会日本代表選手・代表団の決定、チューター決定等
平成31年1月27日(日)13時30分〜14時10分

<内容> EGMOウクライナ大会日本代表選手・代表団の決定等

14.その他

(1)ポスター(2019年用)の作成


JMO用A3版16,000部
A4版9,500部
JJMO用A3版2,000部
A4版16,000部

(2)パンフレットの作成


2019版を、PR用として400部作成した。