数学オリンピック財団

公益財団法人　数学オリンピック財団

第15回JMO夏季セミナーの報告

『JMO夏季セミナー』の目的は、中学や高校などで学ぶ数学の先にある数学の奥深さや魅力を知ってもらうことにあります。また、全国から集まった数学好きな人たちが互いに交流してもらうことや、数学の専門書の読み方・セミナーの仕方などを体得してもらうことも目的としています。
第15回目となる今年の夏季セミナーは、8月23日(日)〜29日(土)の日程で、山梨県の清里高原の「ヴィラ千ヶ滝」にて開催いたしました。参加生徒は、春の合宿参加者の中の希望者14名を含めて28名(内女子6名)で、20名(内女子1名)のチューターが指導にあたりました。
セミナーは、初日に1名の生徒による自由発表を行い、2日目からは9班に分かれて数学書を読むゼミや、3名の大学の先生方による講義を行った。最終日には、班ごとに学んだ内容を全体に発表した。

≪講義≫
・	8月25日：植田一石先生 (東京大学)「奇妙な双対性とミラー対称性」
・	8月26日：入江　慶先生 (京都大学)「変分問題とMorse理論」
・	8月27日：小林佑輔先生 (筑波大学)「組合せ最適化における最大最小定理」

≪セミナー≫ セミナーで扱った本
①	パズル・ゲームで楽しむ数学（伊藤大雄）
②	平方剰余の相互法則（倉田令二朗）
③	Group,Graphs and Trees（Joh Meier）
④	Rational Points on Elliptic Curves（J. H. Silverman, J. Tate）
⑤	無理数と超越数（塩川宇賢）
⑥	数学基礎論講義（田中一之）
⑦	ルベーグ積分講義（新井仁之）
⑧	Morse 理論の基礎（松本幸夫）
⑨	結び目と量子群（村上　順）

なお、セミナーは次のようにして行われました。
1.	班内で話し合い、担当箇所を決める。
2.	自分の担当箇所について、本を読んで理解し他の生徒に分かりやすくきちんと説明できるように準備をする。
3.	他の生徒の発表を聞いたり自分が発表したりし、分からない箇所があれば質問や議論を通して理解を深める。

《セミナー風景》

開校式	セミナー風景	食事風景

講義風景	バーベキュー	集合写真