公益財団法人
数学オリンピック財団
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第62回 国際数学オリンピック(IMO2021 virtual ロシア大会) 写 真 速 報
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2021年7月24日
(速報期間:7月17日〜24日)
第62回 国際数学オリンピック(IMO2021)は、2021年7月18日(開会式)から7月24日(閉会式)まで、昨年に続いて今年もロシアのサンクトペテルブルグで開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの世界的流行が収まらないため今年もオンラインで開催されることになりました。日本チームは昨年と同じくホテルコンチネンタル府中(東京都府中市)に滞在して大会に臨みました。
開会式は、7月18日21:00(日本時間)に、事前に各国が提出したビデオを編集したものをYouTubeで公開する形で行われました。ここをクリックするとご覧になることができます。
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- 教育家庭新聞
- ITmediaNEWS
- YAHOO Japanニュース
- 高校生新聞ONLINE
- ReseMom
- YAHOO Japanニュース(引用)
出題された問題
プレスリリース
9月28日(火) 文科省を表敬訪問
今年度開催されたすべての国際科学技術コンテストに出場した選手一同が文部科学省を表敬訪問し、表彰されました(一部の選手はオンラインで参加)。数学の日本選手を代表して、神尾悠陽くんが大会の感想を述べました。小林晃一良くんはオンラインでの参加でした。
当日の様子については、
文部科学省の公式HPをご覧ください。
7月24日(土) 表彰式
ヴァーチャル表彰式は日本時間の午後9時からYouTubeで公開する形で行われました:
銅メダル、銀メダル、金メダルの順にそれぞれの選手の点数と氏名(金メダリストだけは顔写真付き)が順次紹介されました。
「6人の選手たちの喜びの表情をご覧下さい」と言えず、写真であるのが残念です。
応援してくださった皆様、ありがとうございました!
表彰式の最後で来年の第63回 IMO はノルウェイのオスロで開催されることが宣言され、伝統に倣い IMO フラッグが今年の開催国ロシアから来年の開催国ノルウェイへ手渡されました。
なお、今回の IMO では町野有夏さんが日本選手と一緒に日本の会場においてイギリス代表選手として大会に参加しました。町野さんは日本人ですがイギリス在住なのでイギリスで代表選手に選ばれたのです。
町野さんは2年連続で金メダルを受賞し、きわめて優れた成績を収めた女性に与えられるマリアム・ミルザハニ賞を受賞しました(町野さんは昨年もこの賞を受賞しています)。 この賞は、IMO のメダリストで女性として初めてかつ唯一人フィールズ賞を受賞し2017年に他界した Maryam Mirzakhani を顕彰して2018年から設けられたものです(2017年に創設されたOlympic Girls' IMPA Awardsを2018年に改称)。
7月23日(金) 全員メダル獲得!
今日の明け方にはすべての問題の得点が確定し、あとは今夜9時に開催されるジュリーミーティングにおいてメダルのボーダーラインが決まるのを待つばかりです(9:00 現在)。
夜 9:00 から開催されたジュリーミーティングでの審議の結果、メダルのボーダーラインが決まり、
日本代表6人全員がメダルを獲得しました! 詳細は
こちらをご覧ください。
7月22日(木) コーディネーションつづく
コーディネーションとは、IMO 本部のコーディネータと日本チームの団長との間で答案を精査し点数を確定させる重要な協議です。この作業は IMO のウェブサイト上で行われます。各選手の各問題ごとに団長が提案する点数とコーディネータが提案する点数が一致すれば得点が確定し、一致しない場合には双方の点数が一致するまでコーディネーションサイト上で議論を続けます。
いつからコーディネーションを始めたらよいのか明確な指示がないまま、翻訳サイト上で英訳が済んでいるものについては早くも20日から議論が始まりました。コーディネーションはウェブサイト上で行うにも関わらず日本とサンクトペテルブルグとの間に6時間もの時差があることやコーディネータの個性にも依存するため、議論が収束するまでに対面よりもずっと時間がかかります。このことが今年はコーディネーションが1日前倒しで始まった理由かもしれません。
ともあれ、日本選手の得点は今朝までに問題4・5以外はすべて確定し、夜の7時までには問題4以外はすべて確定しました。
7月21日(水) 解団式、コーディネーション始まる
今年も観光や国際交流はオンラインで行うということなので、解団式を午前中に行いました。
終了後、生徒たちは自宅に帰りましたが、団長・副団長・オブザーバーAと助っ人のチューターたちは昨日のコンテストの答案の英訳やコーディネーション(IMO の採点担当者と各国の役員との間で行う得点のすり合わせ)の準備に取り掛かりました。
生徒たちの答案の英訳は IMO の翻訳サイト上でオンラインで行うのですが、コンテスト1日目(7/19)の答案の英訳は、2日目のコンテストが行われていた昨日(7/20)の午後9時までに完了するようにとの要請が IMO 本部からあり、その作業と2日目のコンテストの問題文の英訳作業・引き続いてコンテストの実施とが重なったうえに、翻訳サイトに関して IMO 本部に修正を依頼しなければならない事態も発生し、しかも IMO のサイト担当者の対応が遅くてイライラの極みでした。しかし、チューターたちの的確かつ迅速な対応のお陰もあり奇跡的にこの緊急事態を回避することができました。昨日のことです。
今日はオンラインサイトでの答案の英訳作業もほぼ終わり、コーディネーションが本格的に始まりました。ただし、時差の関係で、日本時間では午後かなり過ぎてからです。コーディネーションのスケジュールは昨年より1日前倒しで進んでいます。
7月20日(火) コンテスト2日目
コンテスト2日目です。昨日と同様に、午後 4:30に試験開始、4時間半で問題4~6の3問を解きます。
今日も日本、韓国、イタリア、デンマーク、ケニアの5ヶ国は同じ時刻に競技を開始するはずでしたが、時間通りに始めたのは日本と韓国だけでした。他の国は問題文の印刷が遅れる等により数分から30分近く開始が遅れたのですが、ロスタイムを考慮して時間延長をしてもらっていました。それに比べ、日本人は何と生真面目なのでしょう!
ところで、昨日も今日も試験開始3時間前の 13:30 から問題文の和訳を団長・副団長・オブザーバーAが協力して行いました。これは IMO 本部が用意した翻訳サイト上で行い、翻訳結果に IMO 本部が OK を出せば試験開始の30分前から翻訳された問題文の印刷ができるようになります。こういった作業が正しく行われるかどうかを監視するのがコミッショナーと呼ばれる人で、IMO 本部が認定した原則として他国の人が担当します。日本のコミッショナーは、日本在住の元 IMO メダリストのブルガリアの方でした。試験会場での監視、生徒の答案をスキャンして PDF ファイルにして IMO のサイトにアップロードするまでの作業もコミッショナーの仕事です。
今日も4時間半、選手の皆さんお疲れさまでした! 試験終了後、そのまま試験会場で夕食を取りながら談笑していました。
7月19日(月) コンテスト1日目
今日はコンテスト1日目です。試験開始は午後 4:30 なので(試験開始時間は一定期間内に各国が自由に選べます)、午前中と午後 3:30 まで生徒たちは自由時間です。
昨年と同様に、試験は Zoom を使って試験監督を行う方式で行われました。各国とも試験会場自体と問題文や答案の印刷・スキャン用の機器がウェブカメラによる監視対象となります。この監視は参加各国が Zoom 会議に参加するという形で行われました。参加国はいくつかのグループに分けられ、グループごとに Zoom 会議のギャラリービューによって監視されます。日本が属した Zoom 会議では、開始時間が同じだったのは昨年と少し違い、日本、韓国、イタリア、ケニア、デンマークの5ヶ国でした(その後、開始時間が少し遅い国が参加して来ました)。
IMO 本部では試験監督員(Zoom 会議の様子を見守っている試験監督)、IT 担当者ほかが1つの Zoom 会議を監視していました。試験会場には生徒以外には団長、副団長、オブザーバーしか入ることができず、試験開始15分前に監視カメラの前で顔と名札を5秒以上見せます。
試験時間が4時間半ですから終了は午後 9:00 です。長時間ですから、音の出ない軽食、スナック、飲物を持ち込むことができます。今日は稲荷寿司2個でした。
参加各国の振舞いは今年も多様で、試験会場に監視カメラを3台も設置する国があったり(日本は1台でしたが、3台よりも画面が明瞭でした)、試験問題の印刷が間に合わず試験開始がかなり遅れる国があったり、カメラの視界を遮ってコーヒーを淹れて堂々と飲んでいる監督者がいたり(IMO 本部の監督者に注意されていました)、といった具合です。
因みに、下の写真からもわかりますが、問題文配布用のファイル、ペットボトルの飲物や軽食の準備など、ここまで手厚い準備をしているのは日本だけです。
明日はコンテスト2日目です。
7月18日(日) 直前学習会2日目・開会式
昨日に続いて午前・午後に亘り直前学習会を行いました。
夕食後、昨年と同じく夜の9時から virtual の開会式が行われました。各国は事前に選手団(選手以外の役員も含む)一人ひとりが自分の氏名を言ってから手を振り拍手するという動画の提出を求められ、それを IMO 本部が編集したものが virtual 開会式として YouTube で公開されました。去年の開会式のビデオは約1時間でしたが、今年は編集に時間的余裕があったからでしょうか1時間半でした。参加人数が多いので選手の紹介部分に時間がかかったとはいえ、お決まりの役員の挨拶や最後の光のスペクタクル(?)については・・・です。
これをスクリーン代わりのホワイトボードに投影して参加者全員で見て開会式に参加した気分になりました(?)。
明日はコンテスト1日目です。
7月17日(土) 結団式・直前学習会
例年なら開催国に向けて日本を出発する前日の夜に空港の待合室を利用して行う結団式・直前学習会ですが、昨年に続いて今年も選手団が滞在中のホテルにおいて行いました。
午後いっぱい、引率チューター+応援チューターたちの指導により1日目の直前学習会を行い本番に向けての緊張感を醸成するともに、競技規則の確認や大会参加の心得などを学びました。"結団式" らしい写真やIMOの人文字などの撮影は、一段落した夕食後に行いました。伝統のIMOの人文字ですが、結構重労働なんです!
写真をクリックすると大きいサイズになります。
日本代表選手
井本 匡 |
麻布高等学校 |
2年 |
神奈川県 |
神尾 悠陽 |
開成高等学校 |
3年 |
神奈川県 |
小林 晃一良 |
灘高等学校 |
3年 |
兵庫県 |
沖 祐也 |
灘高等学校 |
2年 |
愛知県 |
床呂 光太 |
筑波大学附属駒場高等学校 |
3年 |
神奈川県 |
吉田 智紀 |
東大寺学園高等学校 |
3年 |
京都府 |
(学年は2021年4月現在、アルファベット順、都道府県は住所所在地) |
日本選手団
団 長 |
藤田 岳彦 |
数オリ財団 専務理事 |
副団長 |
黒田 直樹 |
IMO2017・2018 金メダリスト |
オブザーバーA |
新居 智将 |
IMO2018 銀メダリスト |
オブザーバーA |
守屋 悦朗 |
数オリ財団 常務理事 |
オブザーバーC |
淺井 康明 |
数オリ財団 理事 |
オブザーバーC |
田﨑 慶子 |
数オリ財団 事務局次長 |
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(数オリ財団 = (公財)数学オリンピック財団) |
大会日程
2021年7月18日(日) |
21:00 |
開会式(YouTube) |
19日(月) |
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コンテスト(1日目) |
20日(火) |
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コンテスト(2日目) |
21日(水) |
〜 23日(金) |
国際交流・観光(オンラインツアー等) コーディネーション(採点会議) |
24日(土) |
21:00 |
閉会式(YouTube) |
IMO2021 公式サイト(英語・ロシア語)