公益財団法人
数学オリンピック財団
2022年度 第20回夏季セミナーの実施報告
『JMO夏季セミナー』の目的は、中学や高校などで学ぶ数学の先にある数学の奥深さや魅力を知ってもらうことにあります。また、全国から集まった数学好きな人たちが互いに交流してもらうことや、数学の専門書の読み方・セミナーの仕方などを体得してもらうことも目的としています。
第20回目となる今年の夏季セミナーは、8月21日(日)〜27日(土)の日程で、山梨県北杜市の「ヴィラ千ヶ滝」にて開催いたしました。パンデミックに伴う2年連続での中止を乗り越えて、待望の開催となりました。参加生徒は、春の代表選考合宿参加者およびEGMO代表選手の中の希望者14名を含めて22名(うち、女子1名)で、20名(うち、女子1名)のチューターが指導にあたりました。
セミナーは、初日に1名の生徒による自由発表を行い、2日目からは9班に分かれて数学書を読むゼミや、2名の大学の先生方による講義を行いました。最終日には班ごとに学んだ内容を全体に発表しました。
《講義》
- 8月23日:池田 岳 先生 (早稲田大学)「群の表現論入門」
- 8月25日:越川 皓永 先生 (京都大学)「整数論、代数幾何学、モチーフ」
《セミナー》
セミナーで扱った本
- 平方剰余の相互法則:ガウスの全証明 - 倉田令二朗
- 石取りゲームの数学:ゲームと代数の不思議な関係 - 佐藤文広
- An Introduction to Chaotic Dynamical Systems - Robert Devaney
- 楕円曲線論入門 - Joseph H. Silverman, John Tate
- 複素関数入門 - 神保道夫
- 線形代数と数え上げ - 高崎金久
- 漸近挙動入門:太鼓の形を聴くために - 高橋陽一郎
- The Symmetric Group - Bruce E. Sagan
- Using the Borsuk–Ulam Theorem - Jiří Matoušek
なお、セミナーは次のようにして行われました。
- 班内で話し合い、担当箇所を決める。
- 自分の担当箇所について、本を読んで理解し他の生徒に分かりやすくきちんと説明できるように準備をする。
- 他の生徒の発表を聞いたり自分が発表したりし、分からない箇所があれば質問や議論を通して理解を深める。
《セミナー風景》
写真をクリック/タップすると大きくなります
セミナー |
講義1(池田岳先生) |
講義2(越川皓永先生) |
JMO 夏季セミナー公式ページ
千ヶ滝