公益財団法人
数学オリンピック財団
JMO夏季セミナーは、数学に強い興味・関心をもつ中学生・高校生に学校の授業や受験勉強とは違った視点から数学に触れる機会を提供するとともに、学年や地域をこえた勉学と交流の場をつくることを目的に、数学オリンピック財団の主催で開催しています。
第1回を平成13年 (2001年) 8月に静岡県の御殿場市立青少年会館で開催して以来、第3回 (2003年) までを御殿場で、第4回 (2004年) と第5回 (2005年) を河口湖セントビレッヂ (山梨県南都留郡) で、第6回を琵琶湖畔の白浜荘 (滋賀県高島市) で開催し、第7回 (2007年) 以後は毎年8月に山梨県清里高原のヴィラ千ヶ滝で開催しています。当初の名称は御殿場セミナーでしたが、第4回から「JMO夏季セミナー」と呼んでいます。
2019年度 第19回夏季セミナーの実施報告
冒頭でも述べているように、『JMO夏季セミナー』の目的は、中学や高校などで学ぶ数学の先にある数学の奥深さや魅力を知ってもらうこと、全国から集まった数学が好きな人たちが互いに交流すること、また、数学の専門書の読み方・セミナーの仕方などを体得してもらうことなどを目的としています。
第19回目となる今年の夏季セミナーは、2019年8月25日(日)〜31日(土)の日程で、例年通り山梨県の清里高原の「ヴィラ千ヶ滝」において開催しました。参加生徒は、代表選考合宿の参加者および EGMO 代表選手の中の希望者16名を含めて計28名 (内、女子3名) で、13名 (内、女子1名) のチューターが指導にあたりました。
セミナー初日には、自分の研究したことや考えたことなどを希望者が発表する「自由発表」を募り、生徒1名が発表しました。2日目からは9班に分かれて数学書を読むゼミや、大学の先生方2名による講義を行いました。最終日には、班ごとに学んだ内容を全員の前で発表しました。
《講義》
- 8月26日:千葉 逸人 先生 (東北大学) 『力学系理論の基礎とその同期現象への応用』
- 8月27日:金銅 誠之 先生 (名古屋大学) 『24次元の不思議』
《セミナー》
セミナーでは次の本を読みました。
- ① 石取りゲームの数学 - 佐藤文広
- ② 幾何の魔術 - 佐藤肇, 一樂重雄
- ③ 群論への30講 - 志賀浩二
- ④ An Introduction to Chaotic Dynamical Systems - Robert Devaney
- ⑤ ガロア理論講義 - 足立恒雄
- ⑥ ルベーグ積分30講 - 志賀浩二
- ⑦ 結晶群 - 河野俊丈
- ⑧ Introduction to Lie Algebras and Representation Theory - J.E. Humphreys
- ⑨ A Course in Arithmetic - J-P. Serre
なお、セミナーは次のように行われました。
- 班内で話し合い、担当箇所を決める。
- 自分の担当箇所について、本を読んで理解し他の生徒に分かりやすくきちんと説明できるように準備をする。
- 他の生徒の発表を聞いたり自分が発表したりし、分からない箇所があれば質問や議論を通して理解を深める。
《セミナー風景》
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開校式 |
食堂にて |
講義1 (千葉逸人先生) |
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講義2 (金銅誠之先生 ) |
千ヶ滝にて |
バーベキュー |
JMO 夏季セミナー公式ページ
千ヶ滝