公益財団法人 数学オリンピック財団

理事長ご挨拶

  


公益財団法人 数学オリンピック財団 
理事長 前田吉昭 
(慶應義塾大学名誉教授) 

数学との出会いが、未来をひらく

 数学は、私たちに驚きと発見、そして知ることの喜びを与えてくれる素晴らしい学問です。 一つの問題を前にして、自分の力で考え、試行錯誤し、何度も行き詰まりながら、最後に自分なりの解き方を見つけたときの喜び。そこには、数学を学ぶからこそ味わえる特別な楽しさがあります。 数学は、自然や社会の中に潜む規則や構造を見いだし、複雑な現象を理解するための普遍的な言葉でもあります。今日では、AIやデータサイエンスをはじめ、科学、医学、経済、工学など、社会のさまざまな分野で重要な役割を果たしています。 しかし、数学の魅力は、社会に役立つということだけではありません。「なぜだろう」、「もっと知りたい」、「この問題を解いてみたい」という好奇心から、未知の世界へ踏み出せること。それこそが、数学の大きな魅力ではないでしょうか。数学オリンピック財団は、こうした数学の魅力に出会い、数学を心から楽しみ、さらに深く学びたいと願う中学生・高校生を応援しています。 日本数学オリンピック(JMO)、日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)、日本女子数学オリンピック(JGMO)などは、数学の能力を競うだけの場ではありません。難しい問題に粘り強く挑戦し、自分の頭で考え抜く経験を通して、自らの可能性を発見する場です。また、全国の仲間や数学の世界で活躍する先輩・研究者との出会いは、その後の学びや人生に大きな刺激を与えてくれるでしょう。国際数学オリンピック(IMO)などを通じて、世界の若者と数学を共通言語としてつながることも、大きな魅力です。

才能を発掘し、育て、未来へつなぐ

 財団がこれから目指すのは、優れた選手を発掘し、国際大会へ送り出すことだけではありません。 「才能を発掘し、育て、そして次の世代へつなぐ」 この循環を、財団の人材育成の基本としていきたいと考えています。 数学に興味をもつ若者を一人でも多く見いだし、その才能を伸ばす。そして、数学オリンピックを通じて成長した若者が、やがて後輩たちの学びを支え、数学の楽しさや学ぶ喜びを次の世代へ伝えていく。こうした「数学のコミュニティ」を、世代を越えて育てていくことが、これからの財団の大きな使命です。 そのために、才能を発見する機会を広げるとともに、夏季セミナーなどの育成プログラムをさらに充実させます。高度な数学を学ぶだけでなく、仲間と語り、先輩や研究者と出会い、将来を考える。「学び・交流・挑戦」の場を、さらに広げていきたいと考えています。

若者の挑戦を、社会全体で支える

 この活動を継続し、発展させていくためには、多くの皆様の力が必要です。 これまでにも、数学を愛する方々、教育関係者、研究者、企業・団体、そして個人の皆様から温かいご支援をいただき、若者たちの挑戦を支えてきました。 企業の皆様には、次世代を担う人材を育てる社会的な取り組みとして、財団の活動をご支援いただければ幸いです。また、数学オリンピックの活動に共感してくださる個人の皆様にも、ぜひ私たちの活動に加わっていただきたいと思います。 皆様からのご支援は、単に大会を運営するためだけのものではありません。一人の若者が数学に挑戦し、自分の可能性を見つけ、世界へ羽ばたくための機会を支えるものです。そして、その若者がいつか次の世代を育てる側になる。皆様のご支援が、こうした「数学の学びの循環」を生み出していきます。

あなたの一歩から、数学の未来が始まる

 もしあなたが数学を好きなら、ぜひ一度、数学オリンピックの問題に挑戦してみてください。 「自分には難しすぎるかもしれない」とためらう必要はありません。大切なのは、すぐに答えを出すことではなく、分からない問題に向き合い、自分の頭で考え続けることです。一つの問題との出会いが、数学の世界を広げ、思いもよらなかった自分の可能性を発見するきっかけになるかもしれません。 数学を学ぶことの楽しさに出会う。仲間とともに挑戦する。世界へ羽ばたく。そして、いつか自分が次の世代を支える。 そんな「数学の学びの循環」を、皆様とともにつくっていきたいと思います。  

数学を愛する若者の才能を見つけ、育て、未来へつなぐ

 数学オリンピック財団は、数学教育の発展と才能の発掘を支援する使命を持ち、その目標達成に向けて、数学を愛する方々、数学オリンピックに参加する生徒の皆様やその保護者の方々、ご支援をいただく企業や団体など、多くの皆様とともに歩んでいきたいと思います。そして、数学の普及と才能の育成に全力を注いでまいります。数学の輝かしい未来をご一緒に築いていけることを楽しみにしています。
 数学オリンピック財団は、数学の素晴らしさを共有し、若者たちの可能性を広げ、さらなる成長と発展に努めてまいります。これまでの皆様のご協力に心から感謝申し上げるとともに、今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

数学オリンピック財団の事業

  1. 1 「日本数学オリンピック(JMO)」の開催(毎年11月予選・2月本選・3月代表選考合宿)
  2. 2 「日本女子数学オリンピック(JGMO)」の開催(毎年11月予選・1月本選)
  3. 3 「日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)」の開催(毎年11月予選・2月本選・3月代表選考合宿)
  4. 4 「国際数学オリンピック(IMO)」への日本選手団派遣(毎年7月)
  5. 5 「アジア太平洋数学オリンピック(APMO)」の実施(毎年3月)
  6. 6 「ヨーロッパ女子数学オリンピック(EGMO)」への日本選手団派遣(毎年4月)
  7. 7  数学オリンピックに関する教材の開発など
  8. 8  数学、特に数学オリンピックに必要な知識の普及活動

ページの最新更新日 2026年8月17日